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あばれはちまん 奇蹟なんてどこにでもあるのに
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EVERYTHING IN ITS RIGHT PLACE Ⅴ
2011-07-13 Wed 22:19
なにせ僕は下ばかりを見て歩く人間なもんですから、地面の上の昆虫なんぞを見かける機会が人様より多くあるわけです。最近よく目にする昆虫風景は「コンビニ等のツルツル滑る床の上でひっくり返って手足をバタバタさせている」ってヤツで、そうなってしまうと昆虫は自力で起き上がれないんでしょうね、イゴイゴと彼は虚しく手足をばたつかせるだけ、そのまま死んでしまうのかもしれません。そんな昆虫を見かけたら、僕は外に放るようにしているんです。

先日のこと、後輩とコンビニにいきまして。僕が先に店に入ったんですが床の上にカナブンがひっくり返っているのが見えたんですね。見慣れたいつもの風景。僕は仕方ないねと思いカナブンに近づいたんですね。一歩目を踏み出すと同時に胸ポケットに差していたボールペンをスルっと抜き、二歩目で幾分カラダを屈ませながらカナブンに近づく。三歩目で傅くようにしてカナブンの前にボールペンを差し出し、彼がボールペンを掴むのを待つ。四歩目で踵を返し、五歩目はボールペンの上を高下するカナブンをコントロールしながら六歩目で店外へ出てカナブンを放る。

後ろで見ていた後輩が僕の、カナブンを助ける一連の作業があまりにも滑らかで流麗、全ての関節、全ての筋肉が有機的に連続して動いていく様に感嘆の声を上げるとともに僕に言ったんです。「ポルセさん、なんでそんなことをするんですか?」

『・・・ナチスドイツがユダヤ人を迫害していた時代のこと。収容所へ向かう列車に乗せられたユダヤ人の母親が自身の愛する娘を毛布に包んで列車の高窓から外に投げ捨てたという話を聞いたことがあるんだ。そのまま収容所へ着いてしまえば親子共々いずれ処刑されてしまうだろう。母親は列車がカーブに差しかかり減速する機会を見計らい、毛布で大事に幾重にも幾重にも包み、緑の深い草原が娘を柔らかく受け止め、やがて慈しみ深い人が見つけ、娘を助けてくれる奇跡に賭けたんだ。死の道にありながら母親は生に向かって娘を放った、と記してあった。心揺さぶられる、悲しくも愛情深い話だ。翻ってさっきの僕の行動はどうだろう?ユダヤ人の母親が取った行動と同じだと思うかい?生に向かってカナブンを放ったと、君は思うかい?実は全く違うんだ。愛情溢れんばかりのユダヤ人の母親と比べて、僕はカナブンのことを全く愛していないんだ、全く哀れんでいないんだ。もっとも、僕がまだキッズだった頃は、カナブンが可哀想だと思って助けていた時期もあった、でもね、一匹のカナブンを助けたのと同じ僕がクルマで幾匹ものカナブンを踏み潰す事実に、すえた臭いを放つ自己満足を感じたんだ。自分探しをしにボランティア作業に赴くする人たちを連想させる。僕は助けていると考えるのを止めたんだね。"カナブンを正しい場所へ帰す"と考えるようにしたんだ。助けていない、ただ、そこがカナブンの居場所じゃないことはわかる、だから、正しい場所へ、ベルトコンベアを逆転させるスイッチを押すように無機的に淡々とカナブンを帰していく。でもね、そんな作業をこなす中でね、僕もいつかあのユダヤ人の母親のように自他共に認められる熱い真の愛情を持って、カナブンを助けるような人間になりたいと願っているんだぜ』

こういうことを言おう、言いたい、言わなくちゃ!って思って後輩を見やったら、あいつ、ジュースが置いてあるガラス扉を開いてオレンジ味かグレープ味か?どっちのファンタにするか選んでやんの。片方は僕の分だそうです。
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この記事のコメント
・「」
ポルセリーナさん、こんにちは。

本来ならばここで2段落目のカナブンを帰す動作の美しさや
ユダヤ人母の愛についても、なにげに触れるべきなのですが、

すみません。思った以上に緊張してるみたいでうまく頭が働きません。
恥ずかしながら、3年ぶりにブログを作ってみました。
相当お暇なときでいいので、また覗いていただけたらと思います。
(URLが変わりました。名前にリンクつけてます)
2011-07-16 Sat 17:27 | URL | ちえみ #-[ 編集] | top↑
・「ちえみさんへ~ブログを続けるコツ~」
随分長いこと変化のなかった僕のブログのリンク欄に変更を加えることが出来て嬉しく思います。もうこんな機会はないものと思っていました。ブログを続けるコツは、あまり更新しないことです。時々でいいから楽しい話を聞かせて下さい。
2011-07-17 Sun 20:50 | URL | ポルセリーナ #GBQCP7FA[ 編集] | top↑
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