あばれはちまん 奇蹟なんてどこにでもあるのに
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コンビニのおでんと木曾の最後、のし袋とdemi-godについて
2011-09-06 Tue 22:02
難しい設問の答えなんてのは、案外設問に寄り添っているもので。近過ぎて、逆に見えない。まさかそれが答えだと気付かないで僕らは自分が進む迷路に自分でまたひとつ行き止まりの道を書き加えて、しかめっ面をして生きていくんだ。昔、学校の先生がこんなことを教えてくれました。

ヒグラシが鳴き始めるのも、赤トンボが舞い始めるのも気温が関係しているそうなんです。ある程度気温が下がってきて彼らは鳴き始め、舞う彼らを見ることで僕らは秋の訪れを知るんですね。所謂自然の営みというヤツなんですが、彼らは示し合わせた訳でもなく、先祖から伝えられ承ったわけでもなく、ましてや温度計を視認したわけでなく一斉に同一の行動をとる。神様の計らいであろうこれって不思議で、美しいことだと思うんですね。

9月のアタマとなりますと、ヒグラシや赤トンボだけでなく、コンビニでも秋の訪れを告げるあるイベントが始まります。
「おでん」の販売なんですね。コンビニのおでんが売れるのって2月あたりの寒い時期じゃなくって、秋口あたりらしいんです。

コンビニで店員さんが僕らに呼びかけます。「あつあつのおいしいおでんいかがですか?」

あのですね、あなた。あつあつなんて謳ってますけどね、気温からして暑いんです。残暑なんです。そんな残暑にまさかのおでん押し。それでもなお彼らは囁きます、「アツアツノオイシイオデンイカガデスカ?」セブンであれローソンであれ、田舎の亜コンビニ(店先に白菜が置いてあるような)であれ彼らは一斉に囁きます「アツアツノオイシイオデンイカガデスカ?」

平家物語の中に木曾義仲の最後を描いた部分があるんです。物語中木曾義仲が巴御前に語り掛ける「おのれは疾(と)う疾う、女なれば、いづちへも行け。われは討死(うちじに)せんと思ふなり」というくだりがあるんです。口語に訳せば「お前は早く早く、女なのだからどこへでも逃げていけ。私は討ち死にしようと思う」となります。僕は文中の「疾(と)う疾う(早く早く)」の位置に、本当に人が喋ったんだというリアリティを感じるんですね。死ぬか生きるかの場面で愛する女性が生き延びることを願っての発言なのですから文体が乱れても当たり前だと思うんですね。「お前は女なのだから早くどこかへ逃げなさい」という整った文章になっていないことで人が確かに喋った演出としているのならば非常に良く出来ていると思うんです。

翻ってコンビニ店員の「アツアツノオイシイオデンイカガデスカ?」はどうでしょうか?確かに人が喋っているのにまるでリアリティを感じることが出来ない。嘘ですらないそれは、まるで機械が喋っているようだと思ったんですね。彼らコンビニ店員のおでん押しには人の血の通わない何かがある。

狂信だと思ったんです。彼らコンビニ店員達は本部の人間から夏の終わりにおでんを押すように圧された。そしてその本部の人間もより上位の人間からおでんを押すことを圧すように圧された。そのピラミッドの頂点に立つdemi-godによる、これは洗脳なんだと思ったんですね。

ヒグラシが一斉に鳴いたり赤トンボが一斉に舞う姿は不思議で美しいのに、コンビニ店員が一斉におでんを勧める様のなんと醜いことか。彼らコンビニ店員を救わなければならない、僕はそう思ったんですね。

レジに商品を持ち込む時に狂信者は「ご一緒にあつあつのおいしいおでんいかがですか?」なんぞ囁いてくるんですね。そこで「まかり間違っても"ご一緒におでんを"と勧められない商品」を持ち込むことであの呪詛を唱えさせない、しかる後に店員を正気に戻す作戦を実行することにしました。

まず試してみたのは「フリスク」でした。およそ人の子であればフリスクを精算する人間、スースーしたいであろうと容易に想像のつく個人にあつあつのおでんを勧めないでしょう。レジで僕は店員にあの清涼感の中心を手渡し、彼が正気を取り戻すことを彼の母親のように期待したんですが
「アツアツノオイシイオデンイカガデスカ?」

次に試したのは「のし袋」だったんですね。いったん経口から離れよう、一度落ち着こう。のし袋を使う予定なんてなかったんですが、いよいよ狂信の態を増す店員を救わんがため、僕も必死でした。彼が正気を取り戻すことを彼のはとこのように期待してのし袋を持ち込んだんですが。
「ゴイッショニオデンハイカガデスカ?」

もう僕に残された手段は無い、レジの向うの狂信者達を止める術は無いと思えました。

難しい設問の答えなんてのは、案外設問に寄り添っているもので。近過ぎて、逆に見えない。

最後に試した商品はなんだったのか?こんな記事をこんな深層まで読んでいるような逆剥けに逆剥けを繰り返すように神経質で壊れそうな方々は気付いているハズ。そう、僕が今まさに世界を覆いつくそうとしていたファナティック・クライシスに抗してレジに持ち込んだのは「おでん」だったんですね。おでんを押す狂信者達を止める為には、おでんを買うしかない。ただ、彼らをあの偽神から救うにはこの手段しかありません。

僕はおでん用のベセルに大根と卵、そこに大根とコンニャクを盛ってレジに持ち込みます。
コンビニ店員が、口を、開きました。

「ご一緒に揚げたてのチキンはいかがですか?」
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暖かい鍋物が恋しい季節になってきましたね。今夜のおかずにおいしいおでんはいかがですか?
2011-09-09 Fri 22:18 おでんフアン
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