あばれはちまん 奇蹟なんてどこにでもあるのに
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ファブリーズクルマイージークリップ
2013-05-17 Fri 22:45

ファブリース
自動車用芳香剤の「売り文句」として選択できるイディオムはそんなに多くありません。おそらくそれは「香り」を中心として、それを修飾する形容詞や名詞等で構成されるでしょう。「華やぐ香り」であったり、「安らかな香り」であったり。翻って本製品の売り文句がなんであるのか?と問われたとして僕は「減りである」と答えるでしょう。そこに「香り」という、売り文句の構成にとっての中心は無く、廻りを回る修飾も無い。本製品は、ただ、己を減らすのみによって輝くのです。

この「ファブリーズクルマイージークリップ」は、衣類・部屋用除菌消臭剤の一大ブランドである「ファブリーズ」シリーズのクルマ向けラインアップ。車内のニオイを素早く消すことができ、エアコンの送風口に簡単に取り付けできるコンパクトな設計で・・・など、ありがちなレヴューを展開するのは易いのですが、そういった、まるで地べたを這い回っているかのような文字列を嗤うかのように超然としてこの製品は「減りがすごい」のです。

本製品は使い始めの際に、製品の背の部分に付いている送風口取付用のクリップを起こすことで中の芳香剤を包んでいるビニールが破れ、しかる後香り始めるようになっています。この、クリップをパチンと起こしてからの減りがまずすごいのです。みなさんどうでしょう?生まれてこの方、芳香剤に話し掛けたことがありますか?もし無いのであれば是非本製品を購入いただきたいのです。クルマに乗らない方も是非買って、クリップをパチンと立ち上げて欲しい。「おまえ・・・そんなに減るか?」と、僕は毎回、はからずも思わず芳香剤である本製品に話しかけてしまうのです。ちなみにこの「おまえ・・・そんなに減るか?」というセリフに僕がどのような感情を乗せているか更に説明することが許されるとして、童話「ごんぎつね」のラストシーン、兵十はごんの善意に気付かずごんを鉄砲で撃ってしまうのですが、その時兵十が呟いた「ごん、おまえだったのか、いつも、くりをくれたのは。」というセリフに乗せた悲しみや後悔、驚きや戸惑いの感情に近似していると思います。それくらい本製品の減りは、芳香剤に話し掛ける事実の異質さ、背徳さ、ココロを鎮めるお薬増やしておきましょうね感を中和する程にすごいのです。

使い始めのすごい減りに連なって、使いつけてからの減りもこれまたすごい。ちょっとクルマを離れた隙にゴイっと減る、公称30日は持つなどと謳ってありますが、前回僕が使っていたものは10日位しか持ちませんでした。製品の裏に香りの量を調整するリューズがあり、香りの量は全く少なくても構いませんというピコキュリーな位置にリューズを合わせてみても、まるで初めから何も入ってなかったかのようにじゅんじゅん減っていくのです。

本製品は「減りを愉しむ」ものだと思うのです。買って、クリップを立てるや否や始まるジェットコースター。僕らはそれを愉しむべきだと思うのです。
なるべく減らずに長持ちすることこそ正義とされてきた芳香剤の世界は、本製品をもって覆される。芳香剤の香りのみを愉しむ時代は本製品をもって終ったのです。

本製品は、時計の秒針未満長針以上のスピードで減っていくことで、凝縮された生を表現していると思うのですね。本製品は、従来の芳香剤がひたすら長持ちして、生き長らえることを良しとして弛緩しきった生を表現してきた忌むべき事実に対する強烈なアンチテーゼなのです。「腐っても鯛」などという諺がありますが「腐ってしまってはそれはもはや鯛ではない。」腐った、只の魚なのです。鯛であるためには鯛であるうちに無くなってしまわなくてはならない。

本製品は、減ることで、生き急ぐことで生命のなんたるかを謳い上げているのです。
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